個性のない過当競争の裏側に突破口が潜んでいる。

●増加する営業店数 縮小する市場規模

統計によると、クリーニング業界の市場規模は緩やかな縮小傾向にあります。一方で営業店の数(主に取次店と呼ばれる形態)は増加の一途を辿っています。これらの事実は、現在の市場構造の矛盾を端的に表わすものだとホワイトマジックは考えます。
  本来、クリーニングに対するお客様の期待は大きく2つではないでしょうか。第一に「衣類をきれいにしたい」という根本的な期待。そして二番目が「早く、安く仕上げてほしい」という副次的な期待。ところがクリーニング業界の大きな失敗は、企業側の論理によって後者ばかりを追求してしまった点です。すなわち企業間競争が激化してコストと効率化を最優先せざるをえなかった。取次店(その名の通り、衣類を取り次ぐだけの窓口店舗)の増加によってたしかに、「早く、安く」は可能になりました。しかし、それは同時に技術や知識を持たない店舗の増加を意味し、お客様が望んでいる「きれい」を無視した過当競争としか呼べません。こうした状況が続けば、お客様は‘完全なきれい’を要求しなくなってしまうかもしれません。
  私たちは「クリニック発想」によって、無駄なくスピーディーに、しかも完全に汚れを落とすことで、お客様の期待に確実に応えていきます。

●クリニック発想を実現するシステム

「クリーニングからクリニックへ」を標榜するホワイトマジックでは、「汚れを落とす洗い」と「シミや色あせへの治療を行なうクリニック」との区分を明確化したサービスを提供しています。
  具体的には「洗いのみ」「洗い+クリニック」「クリニックのみ」の3パターン。衣類をお預かりするタイミングでどの症状なのかを的確に判断します。お預かりした衣類は工場任せではなく、クリニックスペースが併設された店舗での対応が基本。そのため各店舗では、目の前で部分的にシミ抜きを試したり、‘カルテ’を用意するなど、お客様に安心していただけるシステムを構築しています。 また、いずれの店舗においても高品質で均一な対応ができるようシステム化。なかでも、難易度が高いとされる‘色かけ(紫外線などによる色あせを復元する技術)’の平準化は 他に類を見ない私たちのオリジナルです。他にも、シミ抜きのスプレーガン、難易度別の液剤、シミ抜き機やプレス機器などを開発したり、また作業ノウハウの手順を確立するなどして、誰もが2週間で高度な対応力を習得できる仕組みも築いています。

●市場影響力を発揮するドミナント戦略

ホワイトマジックグループは既存のクリーニング店の業態を展しておりましたが今後は、「クリニック発想」というコンセプトに基づき、新業態「衣類のクリニック」の全国出店を推し進めます。
  現在岡山を中心に13店舗を展開していますが、まずは関西圏、そして東京へと進出。将来的には既存店舗に加え、大阪、京都、滋賀、東京の各エリアにおいて合計75店舗を出店する計画です。  こうした大量出店を実現するにあたり、私たちはドミナント戦略を採用します。
  ドミナント戦略とは一定の基準を設けて対象エリアごとに店舗モデルをパッケージ化。同一モデルの店舗をひとつのエリア内で大量に、かつ一斉に投下していく戦略です。
  ホワイトマジックでは、1エリアにつき10〜15店舗を目安に出店を行ない、各エリア内での市場影響力を発揮する計画。展開については、直営店とオーナー制というパートナー店の形態をとります。直営とパートナーによるドミナント化されたエリアを順次広げていき、最終的には全国各地に1000店舗のホワイトマジックブランドを展開します。

●清潔かつシンプルな店舗設計

ホワイトマジックの店舗は、「衣類のクリニック」として従来のクリーニング店とはまったく違うコンセプトのもとに設計されています。
  外観は、入店してみないと何の店だかわからないほどシンプルなデザインです。これは派手なネオンや看板ではなく、口コミや評判で地域住民から支持されたいとの願いから。内装に関しては、お客様をお迎えするカウンターに、汚れの程度を測定できるサイズメジャーおよびカルテを常備。カウンセリングに備えます。
  衣類一つひとつを診断するのに時間を要するため、お客様にゆっくり順番を待っていただけるウェイティングスペースを確保しています。またお預りした衣類がどのように処理されているのかをご覧いただけるように、間仕切りはガラス張り。その奥には、加工・処理室があり自社開発した省スペース型マシーン(約3坪)によって広々としたスペースとなっています。
  なおウェイティングスペースでは、マジック加工処理の解説や季節ごとの衣類情報を提供しています。地域住民とのコミュニケーションを何よりも大切にしたい私たちの気持ちが、こんなところにも根づいています

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